ブラッディ アリス
アリスはニヤリと笑うと、すくっと立ち上がった。
「さて、仕事仕事。…私の正体を知っている二人には、今度ゆっくり話してあげるわ」
アリスはウインクをすると自分の頭上を見上げる。
「おはよう。…お兄ちゃん」
二階には呆れた表情のカイルが、じっと三人を見ていた。
「…おはよ…アンジェラ…。ちょっと外に出ようか?」
「……そんな怒った顔しないでよ。全部話すから」
アリスは「はぁ」とため息をつくと、スタスタと玄関に向かう。
「…え?正体を知ってるって…」
「…ザリチェ…も?」
ザリチェとカナリィは顔を見合す。
そんな二人を見ながらクスクスと笑うアリスは、頭を抱えながら階段を下りてきたカイルに嬉しそうな顔で微笑みかけた。