ブラッディ アリス


「…リリス家ってことは…」


「あの二人がヘンゼルとグレーテルね。しかも、ジャックはもう気づいてる」


アリスは振り返り、にっこりと笑顔を見せる。

「はい。プレゼント。これで機嫌直して」

「…え?」

カイルの目線の先…アリスの手に握られた花の茎から…赤い液体が滴る…。


「…何…これ?」

「……どうやら、ここにある植物は、この赤い液体を養分に育っているみたいね」


誰かの瞳を思わすような…真っ赤な色…。


「昨日はもう夜で…暗くて気づかなかったけど…ここの木々や花たち…変だわ…」


アリスとカイルは体を一回りさせ、周りの景色を見渡す。


ほとんど赤系の色で染まっている花…。

木の幹から出た樹液も…血のように赤い…。



「…地下だな…。この地下に何かある…」



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