ブラッディ アリス


「…この時計…どこかで見たことあるわね…」

寮舎から少し離れたところで足を止めたアリスは、まじまじと懐中時計を見つめた。


「気のせい…ね。…とりあえず…」

アリスはキョロキョロと周りを確認すると、ポケットからビニールの袋を取り出した。


「…この施設全体の植物が…同じようになってるとすれば…」


アリスの足元は大きな木々が生い茂り、見たことのない花が咲いている。


…ブチブチッ…。

「……やっぱり…」


荒っぽく引き抜いた植物の束から、滴るのは赤い液体…。


「きっと…生臭さの原因は…この液体ね…」

真っ赤に染まった自分の手から、微かに異様な臭いがする…。


「…学校…みたいなものなんだから…、ラボやマイクロスコープ…無いのかしら…」



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