ブラッディ アリス
「…リトルメラ邸…」
15分くらい歩いた後、目の前に現れたのは大きな屋敷だった。
大きいといってもアベル邸よりは全然小さいが、デザインが斬新でとても神秘的な屋敷に思えた。
「誰もいないわね…」
アリスは周りを見渡すが、とくに誰かが見張っているわけでもない様子。
「…書斎…どこなのかしら…」
とりあえず、手に持っていた袋をポケットに入れ、アリスは自由に出入りできそうな入り口を探す。
「…ん?…」
少し歩くと、屋敷の横にある建物の扉が半分開いていることに気づいた。
まるで教会のような形をしたその建物の正面には、綺麗なステンドグラスの窓。
「……!」
恐る恐る中を覗くと、そこにはびっしりと本が並べられ、小さなテーブルと椅子が数個用意されてあった。
「……誰か…いるのかしら……?」