ブラッディ アリス
「…わ…私はアンジェラ…。昨日…寮舎ミルフィーユに入ったの…」
「ミルフィーユ…?!…じゃあ…年上なんだ…。…すみません…」
少年は軽く慌てた様子で一礼をした。
「…年上…?…年下ってこと…?」
アリスは目を丸くして、さらに少年を見つめる。
「…僕は寮舎シフォンにいます…。ロビンです」
「…ロ…ビ…ン…?」
…ロビンって…カナリィの…!
アリスは一瞬言葉にしそうになったが、慌てて自分の口を塞いだ。
「…ここに入れるのは…ミルフィーユの子どもだけって聞いたけど…」
「…ああ…そうなんですよね…。…僕は特例で…」
雰囲気…姿勢…言葉遣い…。
カナリィに見せてもらった手紙のイメージとは…違う…。
「特例って?」
「うーん…なんか…成績が一番いい…みたいで…。特別に、ここを使っていいって言われて…」
少し照れたように話すロビンは、チラチラとアリスの顔を確認する。