ブラッディ アリス


「……っ!!」


袋の中の赤い液体を見た瞬間、ロビンの顔が青ざめた…。


「……それ…血ですか……?」

「…え?…いや…違うと思うけど…」

ロビンの反応に、何かあると確信したアリスは、そっとその場を立ち上がる。


「……ロビン…あなた……」


小刻みに震え始めるロビンの体…、今にも泣きそうな…何かに怯えた表情…。

「…す…すみません…。…お…奥に部屋があるんです…。…一緒に…」

ロビンは無理やり作った笑顔をアリスに返す。


「……わかったわ…。…大丈夫…?」

アリスは心配するフリをして、ビニール袋をロビンにわざと近づける。

「……っ……大丈夫です…」

明らかにビニール袋…いや…『赤い液体』に怯えるロビンは、よろめきながら歩き始めた。




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