ブラッディ アリス
ⅩⅥ
「…ここ……お茶とかお菓子が用意してあるんです…」
ロビンに案内されたのは、書斎の奥に備えられた小部屋…。
二人がけのフカフカなソファーと丸テーブル…、食器棚には数個のグラスとティーセット。
小さな台所と冷蔵庫が設けられ、その横の棚には電気ポットが置いてある。
…ザーッ……キュッ……
「…んっ……ごくごくごくっ………はぁっ…」
蛇口からグラスに注がれた水を、勢いよく飲み干したロビン…。
アリスは黙ってソファーに腰掛ける。
「す…すみません…。ジュースでいいですか?」
そう言いながらガチャッと冷蔵庫を開け、ロビンはジュースが入ったビンを取り出す。
「…ありがとう………」
アリスは静かにロビンの背中を見つめ、次の言葉を考える…。
「早く逃げた方がいいと思います。この施設から」