ブラッディ アリス
「やった!同じ部屋だって~」
「隣同士で寝ようよ!」
寮舎シフォンでは、ベッドが12台ずつ用意された大きな寝室がたくさんあり、ベッドの横には小さな机が一個ずつ設けられていた。
すでに施設に入っていた子どもが、興味深そうに廊下から新入りの部屋を覗く。
「勉強かぁ…。したことナイかも…俺…」
「え?ないの?」
「だって本とか買う金ないしさ、ずっと親父の仕事手伝ってるし」
「…そっかぁ…」
「うまくやってけんのかな?他のヤツらとかとも…」
「…大丈夫だよ。…あ!これから夕食だって!行こう!…」
新しい生活、新しい仲間、新しい景色…。
その場に迎えられた全員が不安だったが、一ヶ月もすれば『楽園』とういうのが真実なんだと、当然のように思えるほど…。
「…ロビン……俺、一生ここで暮らしたいよ」
まるで夢のように幸せな日々だった。