ブラッディ アリス


「…で、どういうこと?」


植物の生い茂る地面に着地したカイルは、コソコソと動き回るアリスを追いかける。

アリスは何も答えず、体勢を低くして進み、寮舎の表へと回った。

「アリスッ」

「…しっ!」

せかすカイルに対し、人差し指を唇に当てて見せるアリス。




「……ロビンに会って聞いたのよ。この施設の真相を」

寮舎ミルフィーユから見えない位置まで移動したアリスは、歩きながらカイルに説明を始めた。

「…ロビン…?……カナリィの?」

「そう、弟」

カイルは服についた葉や砂埃をパンパンと掃いながら、アリスの横に並ぶ。

「どこで?」

「リトルメラ邸の書斎」




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