ブラッディ アリス

そして二人の間には、雪のように白い肌をもつ女の子が産まれた。

侯爵は娘に夢中になり、だんだんとシャルルに愛をそそがなくなる…。

「鏡よ、鏡…。せっかくあの人とうまくやっていけると思っていたのに…彼はキオネばかり…。どうしたら良いの?」

ある日そう呟いたシャルルに、鏡は真実を告げた。

シャルルが不在のある晩、鏡の望みを叶えると言った侯爵。
侯爵がシャルルを愛するようになったのはそれからで、そして見事鏡の望みを叶えた。
そしてキオネが生まれたその日から、侯爵はシャルルの目を盗み鏡に問いかけをしている。

真実を知る鏡は、真実しか答えない。

「今まで私を愛してくれたのは…鏡の望みを叶えるため…?」

真実を知ったシャルルは、底知れぬ怒りを感じた。



「アリス…私はもう手遅れだったのよ。彼に十分な愛を与えられることで、私も彼を本当に愛してしまっていたの」



それからシャルルは、侯爵に溺愛されるキオネに暴力を振るい始める…。






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