ブラッディ アリス

ⅩⅩ





「……どういうつもり?…ふざけないで…」



薄暗い…オロバスの鏡の台座の裏側。

無理矢理キスをされたアリスは、とっさに拳銃をカイルの頭に突きつけていた。


「…ラビへの…なんなの…?……『ごめん』って……意味が…」

戸惑いながらも、必死に冷静になろうとするアリス…。


カイルは俯きながら、微かなため息をつく。

「…ごめん…アリス…。……ほんと……」


今までと様子の違うカイルに、アリスはだんだんと不安になる…。

「…ラビと…何かあったの…?……それとも…他に何か…?」

アリスはゆっくりと拳銃を離し、じっとカイルを見つめた。


「…いや…なんでもないんだ…。…本当にごめん…」

顔を上げようとしないカイル…。



届くはずもない想いが、カイルの胸に複雑に突き刺さり…痛み出す。



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