ブラッディ アリス


…カタッ…



「…!」


微かに聞こえた物音。

どうやらこの建物に誰かが入ってきたらしい。



「…とりあえず…アリエスに戻ったら、ちゃんと話してよ…」



アリスは優しくそう言うと、持っていた拳銃を構え、物陰に隠れながら扉の方を覗いた。




…ガチャッ…


「……と同じように、この部屋にまずガキを集める…」

扉から現れたのは、数名のスーツ姿の男たち。


「ホントに殺していいんすか?…外にバレたりとか…」

「問題ない。外部の人間なんて、集落のことなんか気にかけようとすらしない」

「黙って言うこと聞いてりゃいいんだよ。子守りと殺しであの報酬なら文句ねぇだろ」


しゃんとスーツを着こなした紳士的な風貌からは想像もつかない、残酷な会話と態度の悪さ…。

この施設の真相に迫るほど…アリスの胸が躍りだす。





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