ブラッディ アリス



「あと一時間だ。椅子とテーブルを並べろ」


男の一人がそう言うと、他の男たちはどこからともなく椅子とテーブルを運んできた。


「………おかしいわね…」

室内に並べられていく椅子とテーブルの数を数えながら、アリスの脳裏にふと疑問が浮かぶ。

「ロビンの話では…一部屋にベッドが12台…。特別授業を受けるのは二部屋分の子どものはず…。なのに…どうして…24人分以上…」

「…つまり、一つのベッドを二人以上で使ってたんじゃない?」

普段どおりのカイルが、アリスの頭の上から顔を出す。

「……そういうことね…。だとしたら、かなりの子どもがこの施設内にはいるのね」

元に戻ったカイルの様子に、思わず笑みをこぼすアリス。

「…他の国から来る子どももいるって、さっきの訓練中あいつが言ってたよ」

「………え?」

「…ジャックとラビが教師役だからさ、こっちの訓練も」


アリスの顔が一瞬くもる。


「……そう…」




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