ブラッディ アリス
全員が着席した後、ラミアは子どもたちの前に立ち、にっこりと微笑んだ。
「…先月帰った子どもたちは、もうそろそろで戻ってくるの。次は、あなたたちの番。…ちゃんとお父さんお母さんに、元気な姿を見せてきてください」
そんなラミアの言葉に、頷いたり返事をしたりする子どもたち…。
「…これから、紙に名前を書いてもらいます。また戻ってきたときに、みんなのことがわかるように…」
ラミアの合図で、スーツ姿の男たちが一斉に机の上に紙とペンを置いていく。
真っ白な紙には不思議な文字が並べられてあり、その場にいた子どもたちには読めるはずもなく…。
「さぁ、名前を書いてくださいね」
ただ言われるがままに余白に自分の名前を書いた。
「ありがとう。…それでは、これからみんなで『特別授業』をします!」
ラミアは扉の前に移動し、男二人に扉を開けるよう指示をする。
「みんな、廊下に出て…並んでください」
素直な子どもたちは文句も言わず、むしろわくわくした様子で室内を出て行く。
スーツ姿の男たちが全員、子どもたちより先に出て行ったのを確認したアリスは、カイルと一緒にさりげなく子どもたちに紛れた。