ブラッディ アリス


子どもたちを置いて、先に入り口の扉へと足を進めるラミア…。

そんなラミアの一歩後ろを歩く二人の男が、徐々に左右の壁へと寄っていく。

そして入り口の扉の前で足を止めたラミアは、振り返って子どもたちを見た。


「みんなー!『帰りのバス』まで競走でーす!速い子にはご褒美がありますよ!」


明るい大きな声で叫んだラミアは、子どもたちに向かって大きく手を振る。

それを見た子どもたちは少し戸惑いながらも、近くにいた男たちに優しく背中を押されながら、一気に入り口へと駆け出した。



…『特別授業』って…競走だったんだ…!


そんな風にはしゃぎながら、勢いよく走る子どもたち。

入り口から差し込む眩しい陽の光の中に、迷いなく進んで行く子どもたち。


「…えっ!?」

子どもたちに遅れないよう走っていたアリスは、入り口付近で何か線のようなものが光ったのに気づき、足を止めた。




……スパッ……




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