ブラッディ アリス
「…虐殺だ…。しかも子どもを…。…尋常じゃない…あの女…」
「…ホント…大昔のリリス家そのものだわ…」
そこから二人は無言で何かを考えていた。
壁が分厚く、外の様子は全く聞こえず、しんと静まり返っている。
しばらくした後、そこから先の様子が気になり始めたカイルは、アリスの肩に触れた。
「…目が慣れてきた…。…向こうに行ってみようか…」
「…そうね…。ここにいたって…仕方がないわ。行きましょう」
細い一本道を少し進むと、そこからは階段になっていた。
だんだんと道の先が明るくなっていく…と同時に、異様な臭いが立ち込める。
「この…ひどい臭い……」
アリスは鼻と口を手で覆う。
「…血だ…。大量の…血のにおい…」