ブラッディ アリス


「…うっ……うっ…っく…」

とうとう泣き出してしまったノーカは、走って二階へと駆け上がった。

「ノーカ…!」

思わず立ち上がるザリチェ。

バタバタと音を立てながら、ノーカは二階の廊下を駆け抜け、自分の部屋へと入ってしまった。


「……どうしよう…」

ザリチェは不安そうにタウティを見つめる。

「…あとで謝ろう。…クレスタも…ごめん…。嘘ついてて…」

タウティは切ない表情でクレスタに謝った。

「…二人も…貴族なのか…?」

クレスタは複雑な気持ちで、ゆっくりと質問をする。

「……うん…。一応ね。…でも村に住んでたのは本当。…家を出て…二人で生きていこうと決めたんだ…」

「……え?そうだったのか?」

その言葉に驚くカイル。

そんなカイルに対し、タウティとザリチェも驚く。

「…あれ?…アリス様から聞いてませんか?僕らのこと」



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