ブラッディ アリス


「…行ってどうするつもりです?!カナリィ!」

玄関を出ようとしたカナリィの腕を掴んだオウルは、剣幕な様子で怒鳴る。

「……どうするって…助けるの…。ロビンを…」

「ロビンは自らここに来たんです!あなたから離れるために!」

「…な…何を言ってるの…オウル…」


どうしてオウルがそんなに怒っているのか…。

どうしてオウルがそんなことを言うのか…。


他の誰も理解できなかった。


「……お前とクロウの考えはわかってるんだ…!…だから僕とファルコンは一緒に来た…!」

「…いっ…痛い!…離してよ!オウル!」

必死に腕を離そうとするカナリィと、さらにぎゅっと手に力を入れるオウル…。


「…落ち着けっ!オウル!」

騒ぎに気づいたファルコンが、慌てて部屋から出てきた。

「…ファル…ッ…」

ファルコンに止められ、パッと手を離すオウル…。

解放されたその瞬間、カナリィは勢いよく駆け出した。






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