ブラッディ アリス



「…そして…カナリィを婚約者に迎えたのが、クロウでした…。…クロウはずっとカナリィが好きだった…。あんな無愛想でも、カナリィには優しくて、いつも支えてたんです」


…異常なほどの愛だった…。

いつしかカナリィは母親への憎しみをロビンに向け、クロウと一緒にロビンのことを悪く言うようになった。


「その逆で、僕とファルコンは弟のようにロビンを可愛がってました。…とくに兄弟がいないファルは、ロビンを本当の弟のように大事にしていた…」

同時にファルコンは、カナリィへの恋心をずっと隠していた…。


「……そして……ご両親が亡くなり、事業を手放し、遺産で全ての借金を返済したロビン…。何もなくなった二人は、村落へと移り住んだんです…」

クロウとの婚約が破棄され、将来を奪われたカナリィの怒りは…爆発…。

カナリィとクロウは、ロビンに暴力を振るうようになった。


「……そんな生活が続いていて……この『お菓子の家』ができた時、ロビンはこっそりと…僕とファルコンに言ったんです」





……あのね……僕……


『お菓子の家』に…入ろうと思うんだ…





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