ブラッディ アリス
「……僕らは知らなかった…。…ロビンにとって、カナリィとの生活が苦痛だったこと…」
とても優しい子だったから、誰にも言えなくて…一人で抱え込んでいた…。
「だから…ファルが言ってしまったんです…」
一人で逃げるのか?
今のこの生活を選んだのは、お前じゃないか!
一から頑張って、もう一度やり直すって…。
…だから誰の助けもいらないんだって…。
そのせいで幸せになれなかったカナリィはどうなるんだ…!
「……その言葉を聞いたロビンは、泣きながら去ってしまいました…」
俯いていたオウルはリムレスを直しながら、ゆっくりと顔を上げた。
「…ロビンと会ったのはそれが最後。…その後、ロビンとカナリィの家に保険会社の人間が来て、ご両親に多額の生命保険がかけられていたと知ったそうです…。その受取人は、ロビンに指定されていて…。それを聞いたロビンは、家を飛び出し、この施設のバスに乗りこんだそうです…」