ブラッディ アリス
しかし、二人の目的は『ロビンを救うこと』では無かった。
いろいろ話し合って、カナリィの家に泊まった夜のこと…。
「……ですね…。はい……はい…わかりました。ありがとうございます…」
「…なんだって?」
「……連れ戻すのが難しいなら、サインと拇印を書類にもらえば、私が代わりに受け取れるみたい…。…だから…ロビンには会えればいいのよ……」
「…会う…か。…やっぱり直接行くしかないよな。…警察の対応なんて待ってられない…。…あの保険金…受取人が死亡した場合は国への寄付になるなんて……馬鹿げた契約しやがって…」
「しかも受領可能な期間が2年って…。ホント…ありえない!…どうしてロビンは手続きする前に行ったのかしら…」
…うっすらと開いた扉の隙間から見える…カナリィとクロウの姿…。
カナリィの手には、クロウのケータイ…。
恐らく、保険会社の人間に電話していたんだろう…。
「…あの二人は…ロビンのことなんて…なんとも思ってないんですよ…」
フフッと鼻で笑った後、オウルはロビンからの手紙をクシャッと軽く握った。