ブラッディ アリス


「こ…こんな…いつから…?」


そう、このときまでシャルルは二人の関係を知らなかった…。


「もう限界よ!こんなの…っ貴族の恥だわ!世間に公表します!!」

そう叫んだシャルルは、急いで屋敷を出ようと走り出す。

「奥様!」

ちょうど階段を下りた時、追ってきたジャックが勢いよくシャルルの腕をひっぱった。

そしてそのまま…シャルルに口付けを…。


「シャルル!私は見たぞ!執事と不倫など…貴族の恥だっ!」

階段の上では、自分のことを棚にあげた侯爵が額に汗を光らせながら叫ぶ。

「な…っ…ジャック…?」

醒めた目でシャルルを見つめた後、ジャックは何も言わず屋敷を出て行った。

階段の上で大笑いする侯爵の後ろで、クスクスと笑うキオネ…。




「そういうことね……どこまで悪魔なのかしら…私の娘は…」





シャルルの言葉を聞いたキオネの顔は、険しく変貌する…。








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