ブラッディ アリス
「ロビンをベッドに寝かせて。それから、着替えをちょうだい。ラビ」
スクッと立ち上がったアリスは、淡々と言い放ち、ベッドの上に置いてある…先ほどラビが持っていた拳銃を手に取る。
その拳銃は、紛れもなくアリスの愛用している拳銃だった。
「これ、ずっとラビが持ってたの?」
「…ああ。…ここに運ばれたとき、誰にも見つからないように、それだけ先に僕が預かった」
ラビはロビンを軽く持ち上げ、静かにベッドの上へと寝かせた。
「……ジャックから……?」
アリスは壁に寄りかかり、少しムッとした表情でラビに尋ねる。
「……彼と接触したとき、手に持っていたんだろ?…他に誰がいる?」
「…………ふん…」
ニヤリと笑うラビに、アリスは軽く銃口を向けた。
「…あまり考える時間はないよ。…すでにこの邸(やしき)には鏡が運び込まれて、ラミアが『ヘンゼルとグレーテル』を待ってる。他の子どもたちは全員…明日にでも殺されるだろうし。…さっき……ミルフィーユの三人が捕まった……」
にっこりと笑うラビの言葉に、目を大きく見開くアリス。
「……ミルフィーユの……三人……!?」