ブラッディ アリス
ピッ!
…ウィィィィィン…
ラミアが小さいリモコンのような物を押すと、ガラス張りの壁の上から真っ黒なカーテンが下りてきた。
「ふふふ…。あなたが『グレーテル』なら…この状況を理解できているのだと思うんだけど……いかがかしら?」
黒いカーテンに隠されてしまった部屋をじっと見つめるアリス。
そんなアリスを、リークに扮するラビはラミアの座るソファーへと誘導する。
「…あなた……とても綺麗な顔立ちをしているのね…。…初めて見たときから綺麗な子だとは思っていたけど……さすが…リリス家の子ね…」
ラミアは立ち上がり、アリスの顔を興味深そうにベタベタと触る。
「…あなた……本当に私のこと…わからないの…?」
アリスはパッとラミアの手を離し、呆れたように笑った。
「……わかってるわよ…。言ったでしょ?…たった今…『グレーテル』って…」
ラミアは少し苛立ったように、鋭い目つきでアリスを見る。