ブラッディ アリス
「…貴族のくせに、私を知らないなんて…」
アリスはボソッと呟くと、勢いよくラミアの胸倉を掴んだ。
「私になんの用?…リトルメラ侯爵家当主!」
「なっ…?!」
ラミアは一瞬体をビクリとさせ、怯えたように顔を歪ませる。
「アンジェラ。やめなさい」
すかさず間に入ったラビがアリスの手首を掴み、ラミアから遠ざけた。
「……い…いくらリリス家の者だからって……あまり調子に乗らないことね……」
ラミアは窓際の大きな置物に被さった布を剥ぎ取る。
…バサッ……
「言うことを聞かないと、あなたの大事な鏡…壊しちゃうわよ…」