ブラッディ アリス
この施設での生活によって、初めてに近い本当の友情を得た。
…ずっと……兄妹で生きてきたから……。
「…泣くなよ。タウティ…。…ここを出たら、また一緒に暮らそう。…べつに俺、お前らがリリス家とか、そんなのどうでもいいし…」
クレスタのその言葉に、思わず涙を流すザリチェ…。
「ノーカもな」
クレスタがウインクをすると、ノーカは潤んだ瞳で頷いた。
「あ…たし……死にたくない…っ…」
「…大丈夫だよ。ノーカ。…クレスタとノーカは、僕たちが守る…」
涙を拭きながら、優しく微笑むタウティ…。
そんな四人のやりとりを見ながら、オウルも幼少時代を思い出す。
「……助けなければ…いけませんね…。…どんなに変わってしまっていても…」
「アリスを助ければ、塀の魔術を解けるんじゃない?」