ブラッディ アリス
カイルはそう言って立ち上がり、歩き出した。
「…え?…」
キンッとダガーを十字に合わせるカイルを、全員が見つめる。
「……アリスの母親はリナリア・マリア。現マリア家当主の双子の妹だよ。…しかも…亡き後もアリスと一緒にいるらしい。…守護霊かどうかは知らないけどね…」
ニヤリと笑うカイル。
思わず唾を飲み込むタウティ…。
「……そうだった…。…アリス様は…マリア家の直系なんだ…」
「…じゃあ、お前らはアンジェラを助けに行けよ。…俺とノーカは寮舎シフォンに行って、逃げる準備をしとくから」
クレスタはタウティの両肩をポンッと叩くと、ノーカを見た。
「…そうね。…私…シフォンのリーダー格の子たちと友達なの。その子たちの言うことならみんな従うし、きっとまとめれると思う」
少し希望に満ち始めた表情のノーカが笑顔で答える。
「…二人で大丈夫?…」
「心配すんな。…さっきタルトから…いつも訓練で使ってる武器持ってきたし」
今度はザリチェの肩をポンッと叩くクレスタ。
「決まりだね。…じゃ、アリスを助けたら…シフォンに向かうってことで」