ブラッディ アリス
「……じゃ、アリスには本気なわけ?」
カイルはゆっくりと噴水から顔を覗かせる。
噴水から10メートルくらいの距離に、アリスのいる大広間がある。
「…アリス嬢…ですか?」
「昨日の夜、口説いてたでしょ?」
「……ああ……見てたんですね…」
カイルの目に映る、深刻な表情のアリス。
そしてアリスの横に立つラビが、チラッとカイルの方を見る。
「…わかってんだなぁ……ここにいるの…」
「…え?…もしかして…見つかったんですか?」
焦るオウルが、体勢を低くする。
「…いや……ラビだから…問題はないけど…」
「ラビ?」
「…ラミアの執事リーク……実はアリスの執事なんだよ」
カイルは一旦顔を戻し、噴水に寄りかかる。