ブラッディ アリス



「…ああ…そうなんですか…。やっぱりね。…どこかで見た顔だなぁと…思ってました…」

オウルは納得した様子で、顔を覗かせラビを確認した。

「…お二人とも…彼とは妙に親しそうでしたしね…」

その後、ラミアの方を見る。

ラミアはアリスと何かを言い合いながら、イライラしているようだ。


「……ラビがこっちに気づいてるなら、あっちから何か起こしてくれると思うよ。…とりあえず様子を見ようか…」

カイルは腕を伸ばすと、「ふぁ」と大きなあくびをした。

「…のんき…ですね…」

呆れたようにオウルがカイルを見つめる。


「んー…ラミアや部下の男たちは大した問題じゃないからね」

カイルはスッと眼鏡を外し、ポケットに仕舞った。


「…へぇ……じゃあ…ネックなのは誰ですか…?」

オウルは興味深そうに尋ね、リムレスをクイッと直す。


「…ジャック……そして地下で見たヤツ……。…もし他にも似たようなヤツがいれば、そいつ…だね…」





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