ブラッディ アリス



アリスが部屋へ戻ると、すでにラビとカイルが待っていた。


「おかえり、ラビ。あれは?」

「厨房の冷蔵庫を借りたよ」

ラビは領収書をアリスに渡す。

「カイル…意外と早く解放されたのね」

「明日早いから、もう寝るんだってさ…。とりあえず疲れたよ…」

カイルはあくびをしながらベッドに仰向けになる。

アリスはクスクスと笑いながら椅子に座った。


「…シャルル夫人に聞いてきたわ…全部」

アリスの言葉にカイルは顔だけをアリスに向ける。

「…とりあえず…若干計画は変更ね…。キオネを妬かせるよりも、侯爵を脅す方が早いわ…。それに…もうカイル王子とキオネ嬢は…いい感じにできあがってるし…」

「…でも君のことを気にしてるよ。彼女は」

カイルがゆっくりと体を起こす。

「そりゃねぇ…。私とカイルのこと…愛人同士かなんかだと思ってるんでしょ?」

「さすがアリス。わかってた?」

「あんなこと言われれば誰だってわかるわ」

アリスは食事の前のキオネの発言を思い出していた。






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