ブラッディ アリス
「…何をそんなに苛立っているのですか…ラミア様…」
ジャックは優しい顔をしながら、ラミアを宥める。
「…オロバスを呼ぼうとしないし…オロバスは姿を見せようとしないし…!…本当にこの子は『グレーテル』なの?!」
「だから、まず何が目的なのかを教えてと言ってるでしょう?」
同じく機嫌の悪そうなアリスが、じっとラミアを睨み続ける。
「……なんなの…あの子…。…リリス家がそんなに偉いって言うの?…この私に対してずっとあの態度なのよ!…ジャック!」
「落ち着いてください。ラミア様…。落ち着いて…」
ジャックは少し戸惑った様子で、ラミアをソファーへと座らせた。
「だいたい『ヘンゼル』も他の子たちも…どこにいるかわからないの!…もう…めちゃくちゃだわ……」
酔っているせいなのか、泣き始めるラミア…。
ジャックは「ふぅ」と軽くため息をつくと、アリスの方を振り返った。