ブラッディ アリス


ガラス窓のドアが開けられ、リトルメラ邸の中にカイルが招かれる。

その後に恐る恐る姿を現したオウルも、警戒した様子で邸に入った。


「…アリス……大丈夫か…?」

カイルは真っ先にアリスのところへと向かい、アリスの顔を覗きこむ…。

「……カ…ル…」

アリスは苦しそうな表情で、ラビに支えられながら少しずつ立ち上がった。

「………てめぇ…!…」

怒りをあらわにしながら、カイルはジャックに殴りかかろうとする。


…パシィィィ!…


「……愚か…ですね…」

カイルの拳を簡単に止めてしまったジャックは、哀れんだような顔でカイルを見つめた。

「…相当のめりこんでしまっている……自分の立場がわからなくなるほどに……」



「…え……?」


目を見開くカイルに、クスクスと笑うジャック…。



「…あなたは…まだまだ彼女のナイトには相応しくない…」


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