ブラッディ アリス


不気味に微笑んだジャックの真っ赤な瞳に映る…大きく目を見開いたカイルの顔。


「……アリス…?……この子……アリスっていうの…?」


その後ろで、きょとんとした様子のラミアが立っている。


「……バカ…」

アリスはラビに寄りかかりながらカイルを睨んだ。


「アリス……って…まさか…最近…新聞で見た…公爵…じゃ…ないわよね…?」

フラフラと歩きながら、ジャックに問いかけるラミア。

「……ラミア様……。…確かにアリスという名前なのであれば、あの公爵と同じ…ですね…」

ジャックはわざとらしい演技をしながら、カイルの手を離し、またアリスの方へと近づいた。

「…でも…似てるわ…。新聞で見たのと…似てる…。…まさか…」

ラミアがアリスを凝視しながら、ブツブツと呟く。

そしてジャックが嬉しそうな表情を見せながら、アリスの頬に触れる。

「…どういうこと…ですか?」








< 465 / 657 >

この作品をシェア

pagetop