ブラッディ アリス
不気味に微笑んだジャックの真っ赤な瞳に映る…大きく目を見開いたカイルの顔。
「……アリス…?……この子……アリスっていうの…?」
その後ろで、きょとんとした様子のラミアが立っている。
「……バカ…」
アリスはラビに寄りかかりながらカイルを睨んだ。
「アリス……って…まさか…最近…新聞で見た…公爵…じゃ…ないわよね…?」
フラフラと歩きながら、ジャックに問いかけるラミア。
「……ラミア様……。…確かにアリスという名前なのであれば、あの公爵と同じ…ですね…」
ジャックはわざとらしい演技をしながら、カイルの手を離し、またアリスの方へと近づいた。
「…でも…似てるわ…。新聞で見たのと…似てる…。…まさか…」
ラミアがアリスを凝視しながら、ブツブツと呟く。
そしてジャックが嬉しそうな表情を見せながら、アリスの頬に触れる。
「…どういうこと…ですか?」