ブラッディ アリス
アリスはニヤリと笑いながら、鏡に手を触れた。
「…鏡よ鏡…!…もう……出てきてちょうだい…」
その瞬間、鏡の中に紫色のベールがフワッと浮かび上がる。
「……アリス嬢……なぜですか…?…」
姿を現した…悲しげな表情のオロバス。
「…あなたを従わせるのは、私だと言ったはずよ…。…二人に会わせてあげる。…だから…こたえて…」
アリスはオロバスにだけ聞こえるようにそう言うと、ジャックを睨んだ。
「…さぁ……これで文句はないわよね?…鏡は返していただくわ…」
アリスの呼びかけによってオロバスが姿を見せたことに唖然とするジャック…。
「…な……なぜ……」
「やったわ!『ヘンゼル』と『グレーテル』を見つけた!これで鏡は私たちに従うわ!…ねぇ!ジャック!」
緊迫する空気の中…一人はしゃいでいるラミアを横目に、アリスはラビとカイルに目で合図をする。