ブラッディ アリス
そう呟きながら、だんだんカナリィの目が大きく見開いていく。
「…あ…あたし……死…ぬ…の……?」
「…し…死なない!……帰ろう!…帰るんだ!」
オウルはそう言い、カナリィの頭をそっと撫でた。
「……ク…クロウ…!立てっ!…ファル…!…ファ…ル……」
動く様子のない二人を見て、オウルの背筋がゾワッと凍りつく。
「………っ」
オウルは慌てて部屋を出ると、そのままアリスの元へと駆け寄った。
「…アリス様!……手をかしてくださいっ!お願いします!」
「………そんな暇はないわ…」
アリスは静かに目線を扉に向ける。
「………え……?」
アリスの目線を追うオウル…。
見つめた扉の隙間から、うっすらと煙が立ち込めている…。