ブラッディ アリス


カイルの手から離れ、ドサッと床に倒れこむラミア。


「……このままだと…焼死だね…♪」

ニヤリと笑ったカイルは、わざとラミアの足を踏みつけ前に進む。


「カイル!鏡を外に運んで!」

「はいはい。わかったよ!」

そのままカイルはアリスに言われたとおり、ゆっくりと鏡を動かしながら窓へと向かった。


「……アリス…様…」

呆然とアリスを見つめるオウル。

「…見ての通り、私にはやることがあるの…。早くロビンを連れて、施設の外へ向かった方がいいわ…」

「……でも…僕だけじゃ、他の三人を運べない…!」

必死に救いを求めるオウルに、アリスはキッと睨み返す。


「大した経験も無しに、無事に帰れると余裕ぶって、こんなところに来る方が間違ってるの!!」


めずらしく感情的になったアリスの怒鳴り声が、広い空間に響き渡った…。




< 477 / 657 >

この作品をシェア

pagetop