ブラッディ アリス
「…鏡を返してください…。…ね?…カイル王子…」
無数の星空の下…。
中庭に立っているのは……翼の生えた、タウティとザリチェ…。
「…ダメッ!!……カイル……!」
アリスは勢いよく邸の外へ出ると、鏡の前に立ちはだかった。
「…アリス様……本当の『ヘンゼルとグレーテル』は私たちです…」
ザリチェがふわっと手をかざすと、見えない熱風のようなものがアリスとカイルを凄い速さで横切った。
「……ジャックさんと…ロビンという名の男の子が…部屋に入った後…僕たちは見張りを殺し、中の会話を全て聴いていました…」
アリスをじっと見つめるタウティ。
「………鏡よ鏡……。…ラソエラ家の……合言葉ですね……」
クスッと笑うザリチェ…。
「僕たちの力を使えば……あなた方は一瞬にして水分を奪われ、死に至る…」
そんなタウティの言葉に対し、ニヤリと笑うアリス。
「…ふん…。…やれるものなら、やってみなさい…。オロバスの望みを叶えたのは私。…彼は私の物よ…」
そんなアリスの言葉と共に、スウッ…と鏡から姿を現せたオロバス。
「……我が末裔……ヘンゼルとグレーテル…。…やっと会えた………」