ブラッディ アリス




オウルはただ呆然と、外へ飛び出したアリスを見ているしかなかった。

アリスと対峙するのは、見たこともない翼を持った…あのタウティとザリチェ…。


「……さて……頼りのアリス嬢はお忙いようですし…私がお手伝いいたしましょうか?…オウル・J・デルデ様…」

ラビに拳銃を突きつけられたまま、ジャックが冷静な様子でオウルに軽く声をかけた。


「………え?」

一瞬考えた後、オウルはジャックに聞き返す。

「早く止血しないと、カナリィにいたっては危険な状態ですよ」

「いや…あの……デルデ…って今…?」

顔を歪ませるオウルに対し、ジャックはニヤリと笑う。


「…村落で…そんな高価なリムレスをかけている人間なんていませんよ。昨日のうちに、あなた方の身元は調べました。もちろん…ファルコン、クロウ、カナリィ…四人のね」




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