ブラッディ アリス





次の瞬間、バァン!と大きな音が響き、とうとう扉が壊れ、炎が姿を現した。



「…あっ…」


思わず窓側へと身を寄せるオウル…。


間もなくして、ラビはクロウを…ジャックはファルコンを抱え、ガラス張りの部屋からゆっくりと出てきた。


「…早く……早く二人を…!」

無言で外へと向かうラビとジャックに、慌ててついていくオウル。




…と、なぜか窓の外には、今にも鏡を中へ戻そうとするアリスがいた。



「アリス様?」

「…ラビ…!…ジャックを放していいとは言ってないわよ…」


アリスはイライラした様子で、どんどん邸内へと鏡を押し込んでいく。


「どうしたんですか?…鏡…」

「…渡したくないの……誰にもね……」


アリスはそう言ってニヤリと笑うと、オウルを見つめながら早く外へ出るよう促した。






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