ブラッディ アリス
ⅩⅩⅨ
「……ロ…ビン……」
ガラス張りの部屋では、カナリィとロビンが静かにじっと見つめ合っていた…。
「…カナリィ……いろいろ辛い思いをさせて…ごめん…」
ロビンは泣きそうな顔で、カナリィを見下ろす。
「……あ…たし…こそ……酷いことして…ごめんなさ……」
カナリィは色々と思い出し、うっすらと涙を流す。
「…きっと…これ…罰…ね……。…ロビ…の気持ち…よくわかっ…た」
「……もう喋らなくていい……。…ここで全部終わるんだ…。ゆっくり眠って…カナリィ…」
ロビンはそっとカナリィの頬を撫で、優しく微笑む。
「…目が覚めたら、昔よく遊んだ…あの場所にいる…。…昔と何も変わらずに…二人一緒に…」
「…あの……草原…ね……ごほっごほっ…」
広がる煙に咳き込むカナリィ。
ロビンの手が、ゆっくりとカナリィの目元に移動する。