ブラッディ アリス
「…アリス様……シフォンです…」
気づけば目の前には、『シフォン』と子どもの字で書かれた看板が立っていた。
「…ミルフィーユとは比べ物にならないわね……一般のスクールみたい…」
「恐らく、カルサ様にお話をされる前から、建設し始めていたと思われます」
二人はゆっくりと、シフォンの中へ入っていく。
「…そういうところは、ジャックに聞いたりしないの?」
「……彼とは、ただの従者仲間です…」
「……ふうん…」
シフォンの中に人の気配はなく、不気味なくらい静まり返っている。
「……誰もいない……どうして…?」
「…もしかしたら……学舎ババロアかもしれません…。…ババロアのすぐ後ろに、この施設を囲う塀が見えますから…」
ラビの読みに従い、二人は学舎ババロアへと向かうことにした。