ブラッディ アリス



目の前に立ちはだかる大きな門を見上げたアリスは、静かに呼吸を整える。


「……どうすればいいの…?……お母様…」


正門にそっと触れた…アリスの手…。



「…黒魔術を…解く…方法…」




アリスはゆっくりと瞼を閉じ、今まで知り得た数々の白魔術を思い浮かべる。



「………」



しかし…記憶の中の白魔術に、黒魔術を解くためのものなど存在しない…。



「…わからない…」



眉間にしわをよせて、苦しげな表情でアリスは呟いた。






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