ブラッディ アリス
カイルはコーヒーカップと新聞をテーブルに置くと、じっとアリスを見つめた。
少し火傷を負ったアリスの腕は治療を施され、綺麗に包帯が巻かれている。
…ギシッ…
カイルはゆっくりベッドに乗り、アリスの顔を覗き込む。
「……ねぇ…アリス…。…恋なんてするもんじゃないって…いつだったか話したよね…」
窓から入り込む優しい風が、カイルの髪をそっと撫でた。
「…もう恋はしないって…君は言っていたし…。僕も…女に本気になることはないって……君に言った…」
カイルはそのままゆっくりと、アリスの横に添い寝した。
「……だから…僕と君はうまくいったんだ……最高の『親友』として…」
カイルの手がアリスの胸に触れたが、アリスはピクリとも動かず眠ったまま…。
「…でも……出逢ったあの日から……僕は君が…欲しかったのかもしれない…」
カイルは上体を起こし、アリスの心臓に自分の耳を当てる。