ブラッディ アリス
「……それぞれの歪んだ物語が……あの炎によって終焉を迎えた…」
アリスはベッドから降りると、テーブルの上に置いてある新聞に目を留めた。
空中から撮られた、燃え盛る施設の写真…。
リトルメラ邸と、そこから少し離れた場所が真っ赤に染まっている。
「………あの後……ノーカとクレスタは…シフォンに火を放ったのね…」
「…そうみたいだね。…まぁその二人かはわからないけど…。ノーカとクレスタが向こう側の人間だったってラビに聞いて……ホント、びっくりした…」
カイルは少し後悔したような様子で、自分の顔を両手で覆った。
「なんでもかんでも手を出すから悪いのよ。どうやらノーカはカイルに本気みたいだし、また私を愛人だと思って恨む人間が増えたわ…」
「………」
カイルは寂しそうにアリスの後ろ姿を見つめる。
「……ってかさ……アリスは本当に抱かれた?……ジャックに…」