ブラッディ アリス
「私の執事のラビでさえ、一緒に行けば悪魔に何されるかわかんないし。一人が一番安全なのよ。…だから、内緒で……今すぐヘリを借りたいの…」
「…今…すぐ……?……もうすぐウィッシュ様や…イザベラ様…ルナリア様……ソーディル様が到着するよ…。……みんなに会ってからでも…!」
カルサは戸惑いながらも、アリスを必死に止めようとしている様子。
そんなカルサを眺めながら、アリスはクスッと笑った。
「……ねぇ…カルサ……。今回のこと……どう説明するつもり…?」
色っぽく足を組んだアリスは、ニヤリと笑みを浮かべる。
「…ど…どうって……ラビや…カイル王子……あと…今も屋敷にいてもらってる…オウル・ジュリアーノ・デルデの証言を話す…つもりだけど…」
「…ふーん……。…自分が『ジャック』と関わっていた件については?」
「……え…?…」
アリスの問いかけに、思わず固まるカルサ。
「…オウルが何か言ってたなら…『ジャック』という名前は出てきたはずよ。…私を招いた張本人はあなたじゃない…ジャックだっていうのは知ってる…」