ブラッディ アリス
……バターーーーーーンッッ……
ハルシオンが荒く閉めた扉が、大きな音を響かせる。
「……人間は…殺さないって決めたはずじゃ…?」
アリスはコキアの顔を醒めた目で見つめた。
「…この国に関わろうとする愚か者は別だ。…下手をすれば私に反する悪魔共の餌となり、奴等に余計な力を与えてしまう…」
コキアは台座の階段をゆっくりと降り、アリスに近づく。
「…成長したな…アリス…。『烙印の儀式』以来…8年ぶりか…」
「……そうですわね…。…あの一週間はとても貴重でしたわ…」
「…ふっ……リナリアは本当に変わった女だった…。マリア家の血を継ぐお前に…『烙印の儀式』をさせるとはな…」