ブラッディ アリス
Ⅵ
…コンコンッ…!
微かに響いた、扉をノックする音。
「…?」
アリスはうっすらと瞼を開く。
…ガチャ……パタン…。
誰かが室内を歩く音。
目の前には、ぼんやりと映る無数の灯火。
「…お久しぶりですね…アリス嬢」
ピンク色の髪と真っ白な服が特徴的な少女が、寝ているアリスの顔を覗き込む。
「…アマリリス…?」
アリスは驚いたように目を見開き、ガバッと起き上がった。
「今…何時?」
「…採血の時間です…。…覚えてないんですか?」
「……もう…夜6時…?」