ブラッディ アリス
8年前の『烙印の儀式』のときに、毎夜6時に行われていた『採血』。
それは、リリス家の協力を得た『代償』と呼ばれるもの…。
ガチャッ……バタンッ…!
バタバタバタバタ…ッ!
「お夕食だよーっ!アリスちゃん!」
次に現れたのは、茶髪に淡いピンク色のワンピースを着た少女だった。
「サクララン!」
「久しぶりだねっ♪…また会えて嬉しいな~!」
アマリリスとサクララン…。
二人とも見た目は10歳くらいの少女であり、どちらもリリス家当主専属執事である。
「ララ……いつまでここにいるの?…今は大事なお仕事中でしょ?」
アマリリスはアリスの腕を持ち、採血の準備を始める。
「…いいじゃん…ちょっとくらい。…あっちにいると、ストレスが溜まるんだから」
サクラランは部屋にあるテーブルに食事の乗ったトレーを置いた後、アリスの横にちょこんと座った。
「…魔女がストレスねぇ…」
アリスはクスクスと笑いながら、サクラランを見る。
「今ね、サクラランは別世界でお仕事中なんです!カミラ・グロンド伯爵ってゆー…」
「こぉら!それ以上言っちゃダメだよ!」