ブラッディ アリス



8年前…アリスが10歳の頃から、何も変わっていない小さな魔女たち。

そんなアマリリスとサクラランを見つめ、アリスはクスッと微笑んだ。


「8年前は…見た感じ同じくらいだったのにね」


アリスの一言に、ガバッと起き上がるサクララン。


「アリスちゃんもやる?『不老の儀式』」

「…やらない…。『不老の儀式』は『寿命』を捧げる…でしょ?」

アリスはベッドから降り、スタスタとテーブルへ向かった。

「じゃあ『不死の儀式』は?」

さりげなくアリスを追いかけるアマリリスとサクララン…。

「やらないわ。『不死の儀式』は、『若さ』を捧げる。…ドクター・ラマツみたいに、あんな姿で生きていたくなんかないもの」

アリスはドサッとソファーに腰掛けると、サクラランの持ってきた食事を食べ始めた。


そんなアリスの向かいのソファーに、黙って腰をおろす二人の魔女…。

アリスが食べている様を、じーっと見つめる。



「…なによ…?」

アリスは口を動かすのを止め、アマリリスとサクラランを見つめ返した。



サクラランが急に大きなため息をつく。

「…はぁ…。…最近…『不老の儀式』をする人が多くて…」


「『不老の儀式』での代償である『寿命』が『不死の儀式』を補い、『不死の儀式』の代償である『若さ』が『不老の儀式』を補っているんです。…今…そのバランスが崩れてきているんです」

アマリリスが深刻な顔で説明をした。



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