ブラッディ アリス
「…人々がモンスター化するのは、なんとしてでも避けなければいけない。…そう考えた当時のマリア家当主は、リリス家に協力する道を選んだそうです」
リリス家とは相反するマリア家…。
その二つの貴族が、大昔に手を取り合っていた…。
「…マ…マリア家が…?」
アリスの体は震えだす。
「そ…そんなこと…誰かに知られて広まったりでもしたら……」
アリスの言葉に、コクンと頷くアマリリス。
「……リリス家と協力し合うなど、大罪中の大罪。…神聖なマリア家だからこそ…きっと極刑……一族は責任を取り、全員死刑となりますね…」
「………」
アリスの頭に浮かぶ…ルナリアの顔…、そして…母リナリアの顔…。
「マリア家の血も引いているアリスちゃんだからこそ、話せるんだよ」
サクラランが不安げな表情でアリスを見つめた。